4.トラブル事例

【メモ】投稿した漫画を盗作された体験談と、盗作に対する対策について

更新日:

漫画の盗作・ネタパクをされた体験談と、対策についてのメモです。

ボツになった原稿が盗作された体験談

竹熊健太郎さんのツイート

出版社に持ち込んだボツ作品が盗作被害に?Web漫画雑誌の編集長が語る、「非合法なのに訴えようがない盗作」のお話
盗作に該当する部分はまとめの後半にあります。

ざっくり言うと、ある女性が出版社に持ち込んだ原稿(珍しい設定)がボツになった。その後、同じ雑誌で同じ内容の漫画が掲載された、という話です。

まとめのコメント欄でも指摘されていますが、アイデアに著作権はありません。なので設定が同じ(似ている)程度では盗作には当たりません。

コマ割りやセリフを比較して、共通項を並べないと客観的な説得力に欠けます。

麻生みことさんのツイート

「アイデアに著作権はない」とは言いつつも「編集者にパクられた」といった体験談を話す漫画家さんを見かけたことがあります。
こちらは弁護士マンガ『そこをなんとか』の作者・麻生みことさんのツイートです。

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これは「新人漫画家の頃に雑誌に掲載された作品が、ベテラン作家に盗作された」といった話のようで、昔はこういった盗作はよくあることだったという証言です。

リプライ欄では、麻生さんの弁護士マンガ『そこをなんとか』が『弁護士のくず』のパクリと言われたという体験談もありまして…。いやそれ、設定が弁護士ってだけで別物…。

現在だと漫画の一部ですら、トレスしたりネタパクしたら5ちゃんねるなどで検証される時代なので、「雑誌などで発表した」作品の盗作は難しくなっているように思います。

(一例)
「ダシマスター」のパクりか否かの問題について
猫マンガ家うだま まとめwiki「盗作」

その一方で、投稿作品のパクられ体験談はネットに溢れています。

投稿作品をパクられた体験を語る作家さん

「弁護士ドットコム」を見たら、近い内容の質問がありました。

漫画を投稿したのですが落選し同じ内容の漫画が載っています(弁護士ドットコム)

相談を引用すると

僕は以前訳あって出版社のある漫画賞に漫画を投稿したのですが
落選しました。
それはいいですがしばらくすると同じ内容の漫画が連載するようになりました。
例えば、現在雑誌に掲載されている作品に出てくる武器が僕の考えた武器に内容、形状ともに同じです。
他、出版社をまたいでさまざまな作品に僕のアイデアが流用されています。

投稿作品で描かれていた武器と同じものが、他の作品で描かれた、という相談。
こちらの相談、前半は盗用に当たると思うのですが、後半に問題がありまして。引用すると

馬鹿げた話に聞こえるかも知れませんが、
どうやら出版社の編集側が僕の携帯電話をハッキングしてネタ帖を覗いてしまっているようなのです。
僕は、どうすればいいでしょうか。

…。…多分、ハッキングはしてないと思うんだ…。

この件は作者の思い込みの可能性も否定出来ないのですが、弁護士が回答しているとおり、アイデアに著作権は発生しません。被害を訴える・証明したい場合は証拠が必要です(その辺は後述)。

講談社の編集者による投稿作盗作について

漫画家志望の方たちが集まるサイト「漫画家を目指している人の広場」の体験談投稿(掲示板)には、講談社の編集による盗作を訴える声が集まっていました。

2015年4月に書かれた話なので、文中の2年前=2013年頃の話です。

2年前の5月にK社に持ち込みしました。(ヤマノ)

2年前の5月にK社に持ち込みしました。
(中略)
それから半年、本屋で偶然手に取った雑誌を見て愕然としました。
新連載作品(新人作家?)の背景と後半の展開が持ち込んだ作品と手渡した写真そっくりだったのです。偶然似ているというレベルではなく、背景は写真トレースでした。
(中略)
3日後に副編集長さんから電話があり、担当者をこれから処分(自主退社という形に)するという連絡をもらいました。

「2年前の5月にK社..」のヤマノさんへ(リボン)

私もプロデビューの後、男性担当者からあまり連絡がないと思っていると、ある日雑誌に、不採用だったプロット内容とほとんど同じ漫画が掲載されていて、愕然としました。担当者が仕組んだ「盗作」です。

ヤマノさん、りぼんさんの投稿を見て(uno)

漫画を投稿した半年後くらいに、手に取った雑誌に短期連載として始まったのがありました。

私の投稿した題名と一文字違いの題名の漫画が。
ストーリーは全く違いますがキーワードだけを被害者妄想で拾えば4つくらいは当てはまりました。
違う出版社ならば「似たようなことを考えてる人がいるんだぁ」と嬉しくなりますが、投稿した同じ出版社で、同じ雑誌で始まったので、パニックでした。

うーん。匿名の掲示板とはいえ、被害者が3人も出てくると事実な気が…。

最初のヤマノさんの件で担当編集者は懲戒処分を受けたようですが、投稿者が盗作を証明したり訴えたりするのはなかなか難しいとも思います。

実際には問題なかった盗作騒動

アイデアや設定がかぶっても著作権的には問題ありません。
投稿作品の話ではありませんが、「作者の勘違い」も残念ながら、よくある話です。

峰なゆかさんのパクリ騒動

2015年8月、Twitterで話題になった峰なゆかさんのパクリ騒動。

【仰天】コトコトくどかれ飯、峰なゆかさんの女くどき飯のパクり疑惑!!

概要を語ると、新連載が始まった『コトコトくどかれ飯』は、峰なゆかさんが連載していた『女のくどき飯』のパクりでは!!?と、マンガを確認することもなく、峰さんが激昂。

多分、タイトルが似ていたことから「パクり」と感じたのでしょうが、タイトルに著作権はないし、内容も全然違うのです。「どの辺がパクリ??」という話(言ってしまえば言いがかり)で、パクりと言われた出版社(講談社)が意見表明を行いました。

峰さんの件については、こちらの検証と説明が大変わかりやすいと思います。全部で3つエントリを書いてます。丁寧。
著作権侵害未満なパクりの話(あざなえるなわのごとし)

仮に、パクリだと思っても、SNSで公にしてはならない。
編集者に相談し、相手方の編集者(出版社、編集部)に問い合わせるのがビジネスマナーだと思います。

やまもとありささんのパクリ騒動

2017年6月の話です。
まとめはやまもとさんに悪意を持つような恣意的なものですので注意。
「パクリっぽいんだよなあ」フォロワー20万人の絵師が別漫画の設定を丸パクか…被害者(?)はそれをネタにした作品も公開
※削除されました

やまもとありささんの『アオイトリデ』がアボガド6さんの『雲の上』が似ている、という話です。

SNSマンガ家群像劇「アオイトリデ」 (ねとらぼ)

個人的に、こういった高い塔を用いたネタはよくあると思います。アイデアが被っただけであり、アイデアに著作権はありません。2者がパクりなら、BUMP OF CHICKENの「ハンマーソングの痛みの塔」とかもアウトになりそう。

(ツイートは削除されたようですが)作者のやまもとさんはその後、このように語ってしまいました。

悔しさは分からないではないけど、プロ漫画家がSNSを使ってわざわざ表明することなのか?
この言葉は「やまもとありさはアボガド6にネタパクされたと思ってる」といった誤解が生じたり、「あれでパクリとは…やまもとありさは狭量じゃないか?」といった批判を生みました。

峰なゆかさんの件もですが、「カッと来てやった」で終わる話でしょうか?
目に見えなませんが、読者との信頼を失ったと思います。

考えられる盗作への対策

色々な事例を見てきましたが、いかにして予防しましょうか?
まずは被害を受けた時に出来る行動について。

被害届けを出すなら編集長

例えばあなたの投稿作品が、担当編集者によってパクられたとしましょう。
それは自分の勘違いではなく、例えばキャラクター設定やコマ割りなど、明らかな重複が複数あったとします。

その場合は、雑誌(サイト)の責任者、編集長に申し出ましょう

【準備すること】
1)投稿作品を用意する(タイムスタンプがあればそれも)
2)検証資料を用意する
3)編集長に連絡をとる

投稿作品を用意する

その賞に投稿した事実や、投稿日付がわかるものを用意しましょう。
持ち込みの場合は、持ち込んだ事実がわかるもの(これは日記とか手帳のメモでも良いと思う)。

タイムスタンプについては後述。

検証資料を用意する

可能なら別の人に読んでもらい、率直な感想をもらいましょう。
上述した峰なゆかさん、やまもとありささんの件を読んで欲しいのですが、「似た作品」と「盗作」は別のものです。

第三者の意見を聞いても「これは盗作だろう」となったなら、交渉のために検証資料を準備します。
読めば誰でもわかるくらい、コマ割りやセリフが一緒だったら資料は必要ないでしょう。

検証方法はこの辺を見ればよいかと思います。
「パク」「ラレ」は一般語とは言い難いので使わないほうが良いでしょう。
猫マンガ家うだま まとめwiki(盗作)

編集長に連絡する

担当者でなく責任者(管理職者)に問い合わせることが大事です。

編集長=責任者じゃないと処分や対応の判断ができません。担当者だったらもみ消す可能性も高い。
副編集長の名刺をもらっているとか、部長を上司として紹介されているなら、そちらでも良いと思います。

タイムスタンプの取得方法

タイムスタンプを打つのは、この時点でこの原稿(ネーム)が存在していたことを証明するためです。
どちらかと言えば、持ち込みをする時の方が有効な気がします。

タイムスタンプ保管サービスを使う

INPIT(独立行政法人 工業所有権情報・研修館)によるタイムスタンプサービスを利用する。
タイムスタンプ保管サービス(独立行政法人・工業所有権情報・研修館)

これは公的な証明としては素晴らしいと思う反面、登録に手間がかかりそうです。

Pixivに非公開で投稿

もしもの為の保険程度でよいなら、非公開でPixivにUPすれば済むような気もします。

1)作品を非公開で設定でアップロード
タイムスタンプ(投稿日付)がつきます
Pixivでは過去の日付を設定することはできません。

2)作品を非公開から全体公開に変更
2017年7月5日に非公開で投稿した作品を、7月7日に全体公開にしましたが、投稿日付は7月5日のままです。
※左上と右下の数字に注目ください

例えば「投稿作をパクられた」場合、Pixivの画面スクリーンショットを用意すれば、「この時点でこの内容の原稿があった」ことが証明できます。

編集長にかけあっても何も対応してもらえない場合、公(全体公開)にし、SNS等で糾弾することも可能です。

タイムスタンプはもしもの場合に備える為の手段なので、怒りに任せて全体公開にはしないようにしてほしいですが。

ちなみに、ブログサービスは投稿日付を編集できるので、タイムスタンプとしては機能しません。

郵送で送る

アナログ原稿でスキャナがない、といった場合は郵送でタイムスタンプを得る事もできるかと思います。

1)原稿をコピーする
2)封筒にいれて自分宛てに送る
3)開封せず、そのまま保管

送る方法は定形外郵便でもレターパックでもいいと思います。
郵便局が切手などに日付スタンプを押すので、この時点で原稿があったという証明になります。

ポイントは「絶対に開封しないこと」です。開封すると中身を変えることができ、タイムスタンプとして機能しません。

まとめ

多分、知っておいてよいこととしては

・投稿作品が編集者にパクられる可能性はある
・心配ならタイムスタンプを利用する

…くらいかなあ…(遠い目)。編集者のモラルとは…。

今回は漫画の話ですが、工業製品でも取引先に技術や設計企画が盗まれるという話もあるので、注意はして良いと思います。
また、何かあった場合は黙り込むのではなく会社に報告し、適切な処分を行わせる必要もあるとは思います。次の誰かが被害に遭わない為に。

新人作家さん向けの記事が増えてきて場違いな感があるので、近いうちに別ブログを立てます。

それでは~

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