1.漫画の宣伝、販促

単行本を拡販する方法まとめ③-1~「サイン会」の事例集

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単行本を拡販する方法まとめ②~リアル書店での販促を考える

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サイン会をひらく

書店などでサイン会を開催する。こんな事例があります。

・サイン会をひらく
―サイン会&ミニトークショー(in書店、作者のみ)
―サイン会&トークショー(inイベントスペース、チケット販売して実施)
―サイン会&トークショー(in書店、2人で対談)
―(余談)『本当に頑張らない育児』の販促策
―サイン会&原画展示(in書店)
―ブロガーによるサイン会(in書店)
―Instagram作家によるサイン会(in書店)
―(余談)サイン会でのプレゼント
―原画展&サイン会(inイベントスペース)
―セルフサイン会(inイベントスペース)
―辻サイン会
―自動スタンプ(inTwitter)

それでは、具体的に見ていきましょう。

注意点

先の記事でも書きましたが、漫画家が自分で書店に連絡するのはNGです。
必ず、担当編集者に相談してください。

多くの場合は、出版社の編集者か営業から書店に連絡、編集者同伴で作者が書店に働きかけます。

やまもとりえさんの場合。

書店で開催している人が多いサイン会。
一例として、バリエーション豊かな、やまもとりえさんのサイン会を紹介します。

やまもとりえさんはInstagramのフォロワー約15万人、Twitterは約4万人、ブログも人気でランキング上位という、漫画家の中でもSNS力が高い方です。漫画の連載もWEBサイト中心です。

『お母さんは心配症!?』サイン会

『お母さんは心配症!?』は、やまもとりえさんがInstagram・Twitter・ブログで発表した育児漫画を収録した単行本です。

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2018年11月に単行本発売、12月にサイン会&ミニトークショーを開催予定です。

りえさんが実施したサイン会の中では最もシンプルな形です。
サイン会を実施する書店で単行本を購入した先着50名にサインを行います。こういったサイン会は色々な作家さんが行っています。

『Aさんの場合。』トークショー&サイン会

2016年11月に発売された『Aさんの場合。』。
この作品は祥伝社のWEBサイト「コフレ」で連載されていました。

Aさんの場合。(コフレ)

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単行本発売から3カ月後の2017年2月、重版記念で友人のあおむろさん、小山健さんを呼んで大阪プラスワンでトークショーとサイン会を行いました。

やまもとりえさん・あおむろさん・小山健さんは3人とも、ブログやTwitter等SNSで育児漫画を発表し、人気を得ています。ファン層が近い人たちだと思います。

トークショーなので事前にチケットを販売して行われました。

【お知らせ】トークイベントやります!

イベントの告知活動は、2017年1月から始まりました。
トークショーを行う場合、会場となるイベントスペースのアカウントも告知してくれます。

コミックナタリーでも、イベント告知がされました。

コミックナタリー」は日本最大規模の漫画情報サイトです。
Facebookフォロワーは約3800人、Twitterフォロワーは約51万人です。
※ナタリーは情報を募集しているので、出版社から投書すると良いです→「情報のご提供について

「Aさんの場合。」やまもとりえがトーク&サイン会、小山健らもゲストに

イベント参加者の小山健さんは、その様子をWEB連載していた漫画『お父さんクエスト』で描いていましたし、あおむろさんもTwitterで感想をツイートしていたと記憶しています。

作者1人ではなく、出版社や参加者(友達)やイベントスペースなど、複数が告知するので「作品の存在を知ってもらう」可能性が高まります。

『本当の頑張らない育児』トーク&サイン会

2018年7月には『本当の頑張らない育児』が発売されました。

この作品は、育児と家族をテーマにした創作漫画です。子育てサイト「コノビー」でWEB連載されていました。
連載当初、書籍化の予定はありませんでしたが、累計500万PVという圧倒的な支持を得て書籍化しました。
※補足しておくと、「コノビー」はFacebookフォロワー約16万人を誇る、国内最大級の子育てメディアです。

漫画連載『本当の頑張らない育児』(コノビー)

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発売1か月後の8月に、大学教授であり、Eテレ「すくすく子育て」のコメンテーターとして人気の、大豆生田啓友さんとのトークショーを行いました。
大豆生田さんは子育て世代に人気があります。相乗効果があったと思います。

イベントの様子は後日、サイト「コノビー」で記事になりました。

「イクメンの次はこれかも」大豆生田先生がやまもとりえさんと語る『夫婦のカタチ』

「子育ては甘くなかった」やまもとりえさんと大豆生田先生が振り返る『産後のリアル』

余談・『本当の頑張らない育児』の販促活動

サイン会から話が逸れますが、『本当の頑張らない育児』では、サイン会以外にも読者参加型のイベントを4回開催しています。

『本当の頑張らない育児』は、本編連載中に読書会を開催する、発売前に番外編を連載する、クラウドファンディングを行うなど、現時点では1番新しく挑戦的な販促活動を行った作品だと思います。

結果、地方自治体から講演依頼が来たり、マタニティマークとのタイアップ広告の話が来たりと、発売後に広がりが生じています。

原画展+サイン会

話を戻して。最近増えているのが、書店での原画展示とサイン会の合わせ技です。
原画は、複製原稿の場合もあれば、生原稿の場合もあります。

ブロガーによるサイン会

ブロガーのナナイロペリカンさんが、『たまご絵日記』2巻、『いろはにちへど』の発売時に実施しました。サイン会は書店・出版社によるものです。

『たまご絵日記』はブログが人気で書籍化(全部描きおろしですが)し、1巻が人気なので2巻も発売されました。
『いろはにちへど』は講談社の「たのしい幼稚園」で連載していた作品です。

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サイン会開催はブログやTwitter等で告知し、開催後はイベントレポート記事を書きました。

サイン会やらせていただきました!
【レポ】サイン会ありがとうございました!ー前編ー
【レポ】ブロガーさんも来てくれたよーサイン会レポ後編ー

人気育児漫画ブロガーの、ゆむいさん、あね子さん他、多数のブロガーが参加し、ブログにレポート記事を書いてました。サイン会開催が結果的に、単行本の告知にも繋がったと思います。
※育児漫画ブロガーはブログのアクセス数やTwitter、Instagramのフォロワー数が多いので、紹介してもらえる効果はあなどれません…。企業とのタイアップ広告記事を描く方も多いくらいですから…。

ナナペリさんサイン会レポ(ゆむいPha)

ナナイロペリカンさんサイン会レポ(いっちょまえ姉妹をそだてています)

コミックエッセイは書店で積まれることが少ないんですが、サイン会をするとコーナーを作ってもらえたりします。

ライブドア、アメブロのブロガーだと、本を出版する際にニュースに掲載してもらったり、ブロガーを集めてのイベント(献本会)を行うことができたりします。これらについては「SNSをつかった販促」という別記事で詳細を書く予定です。

Instagram

Instagramだと『まめ日記』『まめ日和』などの横峰沙弥香さんがサイン会を実施してます。

横峰沙弥香さんはInstagramの育児漫画作家で一番フォロワーが多い作家さん(31万人)です。
多分、有名な漫画家を含めた「Instagramで漫画を発表している人」の中でも日本で一番フォロワー数が多い方です。
●Instagram:@sayakayokomine

単行本はInstagramで投稿した漫画をまとめたものです。Instagram発の漫画単行本、第一号のはず…。

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サイン会の様子はこれらの記事を参照。
ブロガーのナナイロペリカンさんもやってましたが、サインの他にオリジナル缶バッチをプレゼントしてました。

【イベント】インスタで大人気!『まめ日記』発売記念サイン会決定!
【お知らせ】まめ日和発売記念 サイン会やらせていただきます!

参加したファンがInstagramに写真を投稿してました。

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人生初のサイン会に!まめ日記で大人気の横峰沙弥香(@sayakayokomine )さん。せっかく会えるのでいっぱいお話ししなきゃ!と思ったのにお美し過ぎてすっかり忘れてしまいました…まめちゃんだから豆大福を持って行ったんだけど、もっとイカす心に刺さるプレゼントにすればよかった…。 これでインスタをスクロールしまくって最初から遡って見なくてもいつでもそばに本が💓育児あるあるすぎて辛いときにとっても救われました。何度も遡って読みました。添い乳しながら笑いました。ドゥ!マグネットは宝物にしよう。 #まめ日記 #まめ大福 #横峰沙弥香さん #ドゥ #育児あるある #育児 #生後3ヶ月

Mari mrkwさん(@maripoblue)がシェアした投稿 -

サイン会でのプレゼント

単行本にサインする以外に、サイン会に来たファンにプレゼントを渡す人もいます。
私が知っている例だと、ペーパー、小冊子、缶バッチ、くらいかな。

作者さんの気持ち次第のものなので、用意しても、しなくても良いと思います。

私は好きな漫画家さんのサイン会後にツイートをチェックしますが、岩本ナオさんは毎回何か用意してますね…。

サイン会、自力でどうにかならないか?

書店と繋がりのあるベテラン作家や編集者だとすんなりいくと思いますが、人脈がなく、人気もあるか分からない新人作家の場合はどうすれば良いのでしょう?

上で示したように、自力でイベントスペースを借りてトークショーを開催するという手はあります。
でも多くの人は「トークショーなんてできない…」「チケット販売はハードルが高い」と思うでしょう。

それ以外の方法として、こんなのがあります。

自力で原画展を開く

単行本発売に合わせて原画展をひらき、在廊日を決めてサインする。単行本も販売する。
吉本ユータヌキさんが『おもち日和』発売に合わせて開催していました。

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吉本ユータヌキさんの「たぬきの絵どこ展」まとめ(Togetter)

会場も色々あり、長くなるので「トークイベントや原画展の開催」については別の記事で細かく書く予定です。
漫画家よりイラストレーターアカウントの方が参考になると思います。

セルフサイン会

小説家の方ですが、「セルフサイン会」を実施した方がいます。虎走かけるさんです。レーベルは講談社ラノベ文庫。

最初は思いつきのような形で、アイデアを書き綴っていました。
新シリーズも動きだすしセルフでサイン会でも

その後、担当編集の許可をとり、具体的なイベントになっていきます。
詳細は本人のブログに書いてありますが、概要を抜き出しますと。

●開催日
9月8日(土曜日)13:00~15:00まで受け付け

●開催場所
秋葉原 patia秋葉原1st店 
(中略)

●参加方法
『魔法使い黎明期~劣等生と杖の魔女~』を書店で購入してからいらしてください。
どこの書店で買っても大丈夫です。
一応上限五冊で……。
書店さんが「これ店舗で売るから宛名なしサインして」というのも大丈夫ですが、その場合一応名刺確認させてください。

●虎走かけるブログ「ちらうら」表紙もできたしサイン会の詳細でも」より引用

「10人くれば…」と思っていたサイン会は成功し、100人以上が集まりました。
待機列も出来るほどの大盛況!イベントの反省もブログに書いてあります。

サイン会も終わったしもろもろの明細でも

記事からポイントを抜き出しますと、

●イラストレーターさんを巻き込む(難易度高)
●編集部に許可を取る(最大難易度)
●会場をおさえる(難易度低)
●スタッフを集める(難易度中)※イラストレーター含め4人で実施
●イベント感を出す(難易度中)
●告知する(難易度低)
●予算のはなし 

サイン会も終わったしもろもろの明細でもより引用

虎走さんは熊本在住の作家さんで、わざわざこの為に東京に出ているので、お金は思ったよりかかっています。
秋葉原で土曜日という会場の良さもあるのかも。(でも会場良くないと人を集めにくいとも思う。)

1回目の秋葉原で「疲れた!」的な感想を書いているのに、福島・大阪・香川・岡山・島根・広島・福島など、全国を回ってセルフサイン会をしています。「3人集まればいい」という感覚もすごい(^^;
編集部の許可でちゃったし詳細でも

ただ、このセルフサイン会をきっかけに、地元・熊本の書店から声がかかって、熊本でもサイン会を行っています。
熊本で凱旋セルフサイン会でも

「セルフサイン会」の切り込み隊長と自称していらっしゃるので、開催方法等が分からない、心配な場合は相談してみたら良いと思います。

辻サイン会

ファンが多いベテラン勢じゃないと難しいかも知れませんが、夫婦漫画家ユニットの「うめ」さんは、書店の営業周りのついでに、Twitterを用いた「辻サイン会」を行っていました。

うめ(小沢高広、妹尾朝子)さんによる『スティーブス』1巻発売記念の辻サイン(Togetter)

辻サイン会については、作者のキャラとか気遣いが重要になると思うので、万人が出来るとは思いません。お店や通行の邪魔になってはいけないですから…。

実際、うめさんも最近は「マンガトリガー」などお店(イベントスペース)でサイン会を開催しています。

Twitterで自動サイン会

白泉社の『変女』Kindle版1~5巻無料の際、botをつかった自動サイン会(スタンプ)が行われました。
※詳細は別の記事に書きます。

botをフォローし「きんどう 変女」というキーワードを入れ、表紙画像を添付してツイートすると、サインをつけた画像がもらえます。

まとめ

長くなりましたが、「サイン会」は以上です。
書店と協力して行うものから、Twitterでの自動サイン会まで幅広いですね。

次は店頭でサイン色紙や複製原画、POPなどを飾る事例集です。

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